屋上って気持ちがいい。

風が私で戯れていく。





























戯れと恋々と






























はぁ・・すごくいい天気。

講師という肩書きと先生と呼ばれることにもなれ、今は学校生活を満喫。

結構・・・年下の恋人もできて、可愛い弟分もできて、毎日がこんなに楽しいと感じる。

午前中、体重測定などで授業はなく、私も特に役割は与えられなかったので屋上でおさぼりv

まぁ、正式な教師とか講師じゃないし、生徒の情報を漏らすわけにはいかないからね。

にしても、気持ち良いな〜・・・。

眠くなってきた。

ガチャ・・・ギィー・・・バタン

あ、誰か来た。

コツ・・・コツコツコツ・・・

すっと暗くなった。

影が私に落ちているらしい。

「なにサボってんだ?」

ちょっと、期待していた人物とは違って、驚いて目を開けるとそこにいたのは獄寺君。

「獄寺君、どうしたの?健康診断は?」

「かったりぃ。」

はは・・

「今日中にやらないと病院に行って診断書書いてもらわないといけなくなるよ?」

「・・終わったからサボりにきたんだよ!てめぇこそサボってんな。」

「えー・・だって、一応半部外者だし?そういえば沢田君たちと一緒じゃないの?」

「・・・10代目も終わったらくる。」

私の横にごろんと仰向けになる。

どうやら、寝る気らしい。

「そう。・・・んー・・・気持ちい・・・。」

暖かい風が頬を撫でていく。

髪で戯れ服と会話し。

平和だなー・・・。



また、すっと暗くなった。

目を開けるとなぜか獄寺君が私に覆いかぶさっていて。

「・・・こら、何してるの?光を遮らないでよ。気持ち良いんだから。」

あ、この子髪綺麗だなー・・・。

さらっと、こちらに向かって落ちてきているその髪は光に透けキラキラと輝く。

「・・・お前、あの野郎とどういう関係だ?」

あの野郎?

「?誰のこと・・?」

「風紀野郎だ。」

風紀野郎って。

「雲雀君のこと?・・どうして?」

「先週の土曜にあいつのバイクに乗ってただろ。」

痛い!!!

痛すぎる!!

み、みられていたとは・・・!

「え・・えー?何のこと?人違いじゃ「てめぇだ。」・・・はい・・私でした・・。」

怖いデス。

うー・・最近可愛いなーなんて思ってたのに。

なんで最近こうやって追い詰められるんだろう、私。

「ええっとお・・・関係って言われても・・・ただ、たまたま会って・・・送ってもらっただけ

 っていいますか・・・。」

「あいつがどうでもいい奴を後ろに乗せるなんて考えられねぇ。」

ごもっとも。

雲雀君、もう少し社交性を持ちましょう。

でないと誤魔化せないから。

「うぅ・・・だって、だって・・・その・・・。」

ちゅっ・・・

「・・・!?獄寺くっんぅ!?」

軽く、キスされたと思ったら深く深く貪られた。

息苦しい・・・。

なんとか胸を押して体を押しのける。

「っはぁ・・・はぁ・・ちょ、何するの!」

「るせぇ。」

!!

ふふふふ服の中に手を入れないでください!!!

「だ、ダメ!!こら!沢田君たちもくるんでしょ!?」

抵抗したら両腕を片手で固定しやがった。

あいている手でブラの上から胸をまさぐられる。

「やっ・・・ん・・・やめなさ・・い!」

「10代目はこねぇ・・・俺のもんになれよ。」

なんか同じようなことをつい最近言われましたよ。

あの時は有無を言わせずだったけど。

「な・・ならな・・いから・・っやぁっ」

するっとブラの隙間に獄寺君の指が侵入してくる。

嘘、まじでやばいですよ。

まだ雲雀君にも触らせてないのに・・(こないだお泊りしたときは何もありませんでした)!!

「ワォ、何してるの?」

「「!!」」

あぁ、神さま。

どうか私を天国へ連れてってください。

地獄は嫌です。

「趣味わりぃ。いつから居やがった。」

「俺のもんになれよってあたりからかな。ねぇ、早く離れてくれない?」

なんか・・雲雀君の全身が黒く見えます。

怒ってますよね・・・。

「ご、獄寺君。どいて。」

「・・ちっ。」

すっと、私の上から獄寺君は離れてまた暖かい光が照らしてくれた。

の前で血なまぐさい事をしたくない。1分以内にいなくなれば咬み殺さないであげるよ。」

「・・
覚えとけよ。」

「!!」

ボソッと、私にしか聞こえない声でそう呟いた彼の目は爛々と輝いていて。

すごく怖い、と思った。

ガチャ・・ギィ・・バタン!

獄寺君が出て行って、残された私たちの間を風が抜けていく。

この微妙な間が怖い。

なんか今日は怖いって思うことが多いよね、うん。

コツ・・

ビクッ!

コツコツコツ・・・・

靴音に怯えるなんて、子供時代に学校で肝試しをやったとき以来かな。

あまりの恐怖に思い切り目を瞑る。

すっと、再び影が私に落ちた。

「何、してたの?」

うぅ・・・・

「・・ご、獄寺君に襲われてました・・・ごめんなさい・・。」

あぁ・・手が近づいてくるのがわかる。

って・・・え?

「ひ、雲雀君?」

さっさと私の乱された服を直し、すぐ横に座り込んだ。

暖かい光が私たちを照らす。

「・・・襲われたなら、大声でも出しなよね。」

「はい・・。」

「あのまま、僕が来なかったらどうするつもりだったの?」

どうするって・・・

どうなっていただろう。

否、答えは一つしかなかっただろう。

あのまま、犯されていた。

力では敵わなかったし、叫ぼうものなら口を塞がれていただろう。

「・・ふ・・・っく・・・」

「・・・。」

なんだか、急に恐怖心があふれ出してきて、呼応するかのように涙が零れ落ちる。

何度手で拭っても、すぐにまた零れ落ちてそれは意味のない行動だった。

・・・・

・・・・・

どれくらい時間が流れたのかわからない。

でも、隣に雲雀君がいると思うだけで安心できた。

「落ち着いたみたいだね。」

「ん・・ごめん。ありがとう。」

しゃくりも収まり、頭を動かして彼を見上げる。

綺麗。

ふと、視線が絡んだ。

「何?」

「お・・怒らないの・・・?」

すごく怒られるだろうと思った。

ていうか、殺される!?とか。

でも、彼はなにも言わず。

「・・何度も言うけど、って無防備だよね。」

え?・・・初めて会って、キスを奪われたあの時しか言われていないような気もするけど・・。

「もう少し男に対して警戒したら?それとも、子供だと思って警戒する気にもなれない?」

「そんなことない!ていうか・・、その・・私は誰も拒みたくないだけ。」

誰も拒みたくない。

拒めない。

拒まれたときの恐怖、孤独を知っているから。

あんな思い、私の周りの人たちに味あわせたくないから。

「それに・・子供だと思ってたら雲雀君の事好きになってないよ・・・。」

「・・・また襲われても、拒まないって言うの?誰でも良いんじゃない、それって。」

「違う!誰でもいいなんて思ってない。私が傍にいて欲しいのは、触れたいって思うのは雲雀君だけだよ。」

そう、私が触れて欲しいと願うのは雲雀君だけ。

「もし、襲われたら思い切り逃げるし、襲われないように二人きりにはならない・・。」

「そうなったら逃げれないと思うけどね。・・僕の傍を離れるからこういうことになるんだよ。」

「え?」

それって、ん?どういう意味?

「応接室にいればいいのに。なんでわざわざ一人になるの?」

そうか、確かに応接室にいればすぐに雲雀君に会えただろう。

終わればすぐに来てくれただろうから。

「えっと・・天気が良かったから・・日向ぼっこ・・・。」

「だったらメモくらい残しておきなよ。どれだけ探したと思ってるの。」

「はい・・。」

反省。

今度から応接室か職員室、準備室以外のところに行くときはメモを残そう。

うん、うん!

「・・ありがとう・・助けてくれて。探してくれて。」

「・・・今日はもう授業もないし。僕の家においでよ。」

「え!?雲雀君の家!?行きたい!」

どんな感じなんだろう・・・!?

あんなバイクあるくらいだから・・・豪邸!?

「先に言っておくけど。今日は抱くから。」

・・・え?

今、なんか爆弾発言を聞いたような・・・。

「え・・えぇ!?」

「当然でしょ。他の男じゃ感じる事もできなくなるくらい、僕に溺れさせるから。」

なんでそんな恥ずかしい事をさらっと言えるの・・・!?

本当に中学生・・?

なんか、すごく艶っぽくて色気が溢れてきましたよ!?

「あ・・・あの・・・。」

「嫌なんだ、彼には触らせたのに。」

「嫌じゃない!」

「決まり、校門前で待ってるから。」

は!!

「ま、待って《ギィー・・バタン》・・・。」

早い!

・・か、覚悟を決めよう。

ていうか、覚悟なんていらないかも。

だって、雲雀君なんだから。

・・今何時だろう・・!?

やばっ先生に11時には職員室にこいって言われてたんだっけ!!

「早く戻って、済ませないと・・。待たせたら怖いし!!?」

ガチャッ・・・

扉を開けたところで振り返る。

「・・・君が呼んでくれたの?」

なんて・・ね?

ただ、舞う風に感謝しよう。

君が呼んでくれたんだね。

愛しい人を。

私の髪で戯れた事への、ちょっとしたお礼だったの?

また、戯れよう。

彼と共に。




ギィ・・・バタン・・・















あとがき

なんか・・なんかー!?宣言してしまいましたよ、雲雀さん!!だって・・ね?ふふ・・(怪