学校って、いろんな感情が・・んーん、人間が抱く全ての感情が詰まっている。
私物×キス
朝になっちゃったよ・・・。
「・・・はぁ・・・。」
朝っぱらからため息。
だって、ねぇ?
並盛中に講師として呼ばれてから5日目。
初日に危険人物にキスをされ(キスマークもつけられた)、血まみれの生徒はいるわで・・。
この5日間、毎日ため息の朝が日課になっている。
でも、それも今日いけば少しだけ楽になるかも。
なんたって・・・
「今日は金曜日!今日行けば明日、明後日とのんびりできるー!!」
なんとか気合を入れて、学校へと向かった私だった。
「はぁ・・・。」
「ため息ばかりだな。」
そりゃため息も出ますよ・・。
昨日、なぜか沢田君を連れ去った赤ちゃんが目の前にいる。
きちんとスーツを着込んで、紳士のよう。
可愛いというか・・可愛い・・・・。
「えっと、リボーン君だよね?沢田君はどうしたのかな?」
「今日は休ませる。ついでに山本と獄寺もだ。」
・・・・・。
「えっと、君はどういうご関係で・・?」
「家庭教師だぞ。」
家庭教師って・・・。
このこが・・・!?
「そ、そうですか・・・。わかりました。」
女子トイレで髪型を直しているときに、リボーン君に声をかけられた。
そして唐突に「ツナの嫁に来い。」なんていわれればそれはもちろんため息出るでしょう?
そして上の会話に戻るわけ。
「3人はケガとかしていない?」
「大丈夫だぞ。」
それなら良い。
獄寺君は初めてあった日に血まみれだったし、心配だった。
「で?どうして私が沢田君の嫁になるのかな?」
さっきからずっとかがんでいるので腰が痛くなってきた。
「理由なんてないぞ。」
「・・・丁重に、お断りいたします。」
「残念だ。」
そういうとさっさとでていってしまった。
「なんだったの・・・て!連絡なら電話でお願いします!」
一応、部外者は立ち入り禁止ですから・・。
お昼休み
「てと、今日はどこで食べようかな・・・「応接室に来い。」・・・はい?」
背後から命令されて驚いて振り向いても、そこにはもう誰もいなくて。
あれ?
でもなんか聞き覚えがすごーくあったよ?
行かないほうがいいのか・・?
でも行かないと・・・怖い!行く!
「行きます・・!」
目前には立派なドア。
応接室前。
手にはお弁当(もちろん手作りv)。
さて、ここでノックはするべきだよね?
うん、礼儀だし!?
・・・・・
・・・・・
怖い・・・・
ゴクッ・・・
生唾を飲み込んで、意を決した。
コンコン・・・。
「し、失礼します・・・。」
ガチャ・・・ギィー・・・・・バタン・・。
中に入ると、窓際で外を見ている雲雀君しかいなくて。
・・・ほかに誰もいないの!?
副委員長とかさ!?
「遅い。」
!!
え・・え・・・ご・・
「ごめんなさい・・。」
なんで謝ってるんだ私!?
ていうか、思い切り機嫌悪くないですか?
雰囲気とか、めっちゃピリピリしてますよ?
「えっと、お昼食べたの?」
「・・・・。」
・・・・
・・・・
また無視!?
うぅ・・・なんか痛い。
この空気痛い・・!!
「雲雀君?」
声をかけてもこちらを見ようともしない。
なんでこんな痛いとこにいなきゃいけないんだろ。
「なんで赤ん坊と話してたの。」
赤ん坊?
赤ん坊って・・・リボーン君?
「リボーン君の事?沢田君たちが休むって伝えにきてくれたんだけど・・。」
そういうと、少しだけ空気が軽くなった気がした。
あれ?
なんか・・・拗ねてる?
ゆっくりと、雲雀君に近づいてみる。
もう、手が届くというところで足を止めた。
やっと見えた顔は、やっぱり不機嫌で。
「雲雀君?」
「・・・沢田の嫁に、とか聞こえたけど?」
・・・・あぁ!
そんなこと言われたっけ・・って、聞いてたの!?
あそこ女子トイレなのに!?
「いや、なんかなんとなく言ってみただけみたいだし。丁重にお断りしたけど・・。」
もしかしてこれは・・・
「ヤキモチ妬いてたの?」
バンッ!!
痛いです、はい。
「っつ・・痛いんですけど・・。」
思い切り窓に押し付けられ、顔の横には雲雀君の腕。
後ろは窓。
目の前には雲雀君の顔。
・・・逃げ道なし!?
ええっと・・ええっとお・・・・怖いよー・・・お母さん!
「ねぇ、君は誰のものだと思ってるの?」
誰のものでもないですが?
「え、いや・・誰のものって「誰のもの?」・・・ひ、雲雀君のもの・・・でしょうか・・・?」
「そう、僕のもの。」
断言されましたよ・・・。
僕のものって!
だって、え?
私いつから雲雀君のものになったんでしょう?
「えっと・・・い、いつから?」
「初めてあったあの日から。」
「どうして?」
「理由なんていらない。」
・・・り、理不尽だ!!!
「あ、あのね。大人で遊ぶのは良くないよ。」
「・・・遊びで僕がこんな事いうと思う?」
って言われても・・まだ良く知らないし・・・。
うー・・・誰かー・・・。
「・・。」
「え?」
「僕が怖い?」
名前を呼ばれたことも驚いたけど。
怖い?って聞いてきた彼の瞳の悲しみの深さにはもっと驚いた。
「・・怖い。でも、怖くない。」
「どっち。」
今はすごく怖いよ?
だって、なんか逃げ場がないしなんか怒ってるし・・。
でも。
「怖くないよ。だって、雲雀君すごく真っ直ぐで優しいから。」
「・・・僕が優しい?本気で言ってるの?」
「うん。優しい。だって、いつも気にしてくれてる。」
そう、雲雀君はいつも私のことを気にしてるのを知ってる。
気付くとこちらを見ていて、すぐに視線はそらされるけど。
それに、みんなが言ってた雲雀君の脅し文句、咬み殺すよって言葉。
まだ一度も言われたことないし。
だから?
少し期待してる自分がいた。
朝、学校に来るのが嫌だったのは雲雀君に会うのが嫌だったからじゃない。
ただ、いろいろハプニングが・・・って思ってただけで。
そうだ、雲雀君に会うの嫌じゃなかった。
むしろ会いたかった・・・?
「・・・僕は優しくないよ。」
ぐいっと顎をつかまれたと思ったら、噛み付くような強引なキスをされた。
以前されたふわっとした触れるだけのキスじゃなくて。
深い、深い口付け。
息ができない・・・。
「んっ・・んぅっ・・はぁっちょっまってっん!!」
何度も何度も。
角度を変えて貪られる。
溺れる。
溺れる。
あぁ、そうだ。
私は雲雀君に溺れている。
キーンコーンカーンコーン・・・・・
「はぁっ・・私、雲雀君が好き。」
「今更だね。」
気付いてたの?
私自身も気付かなかったこの気持ちに。
初めて会った、あの瞬間から恋に落ちていた。
「ん・・・。」
今度は優しいけど、激しく口内を犯される。
あまりに気持ちよくて、あまりに心地よくて。
「・・、誰のものかな?」
「・・・雲雀君のもの・・です。」
「良くできました。」
ふっとみせた笑みに全てを奪われた気がした。
「チャイム鳴ったね。ご飯食べれなかった・・・。」
「僕は授業に行くから。」
「お腹すいてないの?」
「・・・ご馳走様。」
え?
ガチャ・・・ギィ・・・バタン
・・・
「!雲雀君って、絶対最強だ・・・。」
みるみると赤く染まった顔を見られなくて良かったとほっとする。
今日の5限目は授業はない。
・・・のんびりご飯食べようかな。
この雲雀君の香りのする応接室で。
「!どこにいってたんだ?心配したじゃないか。」
「すみません、ちょっと屋上で寝入っちゃって・・。」
「倒れてないならいいさ。さ、仕事がたまってるぞ!」
どさっと書類を机に詰まれてため息がでる。
う〜・・・たくさんすぎます。
その時、ブルッと携帯が震えた。
画面をみれば新着メール有。
見覚えのないアドレスに不振に思いながら開いてみると・・・
明日朝10時に迎えに行く。厚着でくること。
恭弥
・・・・
恭弥って・・・雲雀君!?
いつの間にアドレス!?
・・・まぁいっかv
可愛いくて怖い彼氏からのデートのお誘いメール。
明日、のんびりできなくなっちゃった。
でも、きっと朝ため息はでないだろう。
だって、彼に会えるんだから。
さて、はりきって終わらせますか!
