大学生っていろいろあるんだな〜って実感後。
休学して暇になった私を母校の先生が誘ってくれた。
「なぁ、中学の教鞭、とってみないか?講師って形で。」
あぁ、今思うと受けるんじゃなかったかな。
だって、なんか・・・この学校おかしいですよ・・・?
初初
「えー、みんなも知っての通り数学の高倉先生が産休に入られた。
その高倉先生のかわりに数学を教えてくれる先生だ。」
「はじめまして、です。よろしくね!」
恩師に紹介されるってなんか変な感じだ〜とか思いながら横に立つ。
ぱっとみ、普通の子達ばかりでちょっと安心。
ほら、今不良とか多いじゃん?
「では、早速授業を始めます。と、その前に。まだみんな私のことを良く知らないし、
私もみんなのことを知らないので自己紹介&質問時間を設けます。
まずは自己紹介から。じゃ、出席番号1番からお願いね。」
順当に自己紹介が進み、私も終わったところで質問タイムにはいった。
「はい!先生は彼氏いるんですか?」
「もう、男子はそればっかり!」
「いいじゃん!ね、いるんですか?」
はは、この年頃の子って可愛いよね〜v
「いないよ、いい人がいないからね・・。他には?」
なんてやっているうちに授業終了のチャイムが鳴った。
「はーい、では次から授業にはいるので教科書とノートを忘れないように。またプリントを
多めにするのでファイルなんかもあると助かるよ。」
「「「「「「「はーい。」」」」」」」
ふー。
掴みはオッケー!?
「キャー!!」
!!
「何?」
廊下に出てすぐ、悲鳴に驚いて振り向けば、そこにはかなり血だらけの男の子。
って
「血だらけ!?」
驚いて駆け寄るとその男の子は「あん?なんだてめぇ。」と思い切り睨んできた。
あ、いたよ不良・・・。
「ひどい怪我。保健室より病院にって人の話をきけ!」
さっさと教室に入り「十代目〜v」なんてにこやかに・・えっと・・・沢田君?に話しかけている。
「こら!君さっきいなかったけどこのクラスの・・えっと・・・獄寺君?」
すごい字だなおい・・・。
「だから誰だって言ってんだよ!」
「高倉のかわりに来た先生だよ。獄寺君どうしたのそのケガ!」
「これくらなんでもないっすよ〜!」
「保健室でいいから行きなさい!」
なんか知らないけど沢田君の前ではでれでれする獄寺君の腕を引き保健室へ強制連行した。
まったく、どうやったらあんな怪我するんだか・・。
保険医のシャマル先生にお願いして、私は数学の準備室に向かう。
プリント、用意しないとね。
「誰?」
「うひゃぁ!?」
せっせとプリントを作っていたら突然声をかけられて驚いてしまった。
だって、ドアが開く音聞こえなかったよ!?
「え、あ、その。高倉先生の代わりの・・デス。」
振り向いて慌てて自己紹介をする。
そこにいたのは、黒髪が綺麗な男の子。
「えっと、君は・・・。」
「風紀委員長、雲雀恭弥。」
風紀委員長雲雀恭弥・・・?
あれ、なんか職員室できいたような・・。
「雲雀君?何かようかな?」
なんだか思いっきり睨まれている気がするけど、気のせいだと思いたい。
えっと、なんていってたっけ?
『雲雀は絶対に怒らせてはいけない、というかかかわると危険だから!』
「あぁ!思い出した!そう、危険だからかかわるなって言われたのが雲雀君だ〜v」
思い出してすっきりしたー!
「・・喧嘩売ってるの?」
は!しまった!
口に出してた!?
「とんでもない!でもなんていうか、イメージとあまりに違ったから・・。」
そう、私の中でそういわれたときに浮かんだ雲雀君のイメージは・・・
筋肉隆々で、超悪顔で、馬鹿でかいっていう感じ。
でも今目の前にいるのは!
華奢で、なんていうか美形?な男の子。
「そう、それよりそれとってくれない?」
すっと指差された先にあったのは風紀って刺繍が立派な腕章。
ていうか、すごく威圧的なような・・・。
「これ?はい。君のだったんだね?」
「・・・・。」
黙って受取って黙ってそれを腕に通している。
あのね、私無視されるのが一番辛いんだけど・・・。
少し、涙が滲んできたのがわかる。
「誘ってるの?」
・・・今、なんか聞こえてはいけない言葉が聞こえた気がする。
「あれ、今幻聴が聞こえた。薬どこやったっけ・・。」
ごそごそと鞄を漁っていたらぐいっと腕を引かれた。
「へ?」
ちゅっ
「無防備すぎ。」
ガラガラ・・・ピシャン
「・・・・え?え?」
今、キスされませんでした?
え?おかしいな。
初対面ですよね?
彼中学生ですよね?
私何もしてないよね?
・・・・
「セッセクハラ!!!」
すでに出て行った彼に思い切り叫んでいた。
はぁ、さっきはえらいめにあいましたよ・・・。
プリントを何とか作り終え、保健室へと向かう。
さっきの、獄寺君が心配だから。
ガラガラ・・・
「失礼します。あの、獄寺君はどうですか?」
おいおいおい!
あのケガでもう出て行ったって・・!?
屋上にいると思うといわれ駆け足で階段を上る。
扉の前に着いたときには息が完全にあがっていた。
「はぁ、疲れた・・はぁ・・。」
ギィ・・・
重い音をたてて扉が開く。
そこには真っ青な空と、その下で楽しそうにお昼を取る男の子達がいた。
「ごっ獄寺君!!!」
その中に探していた彼を見つけ駆け寄る。
「ケガ!大丈夫なの?」
「あん?大丈夫に決まってるだろーが。」
どこか得意げに言われなんだかどっと疲れが溢れてきた。
「・・・そう、良かった。邪魔してごめんね。それじゃ。」
なんだかな〜。
なんか、初日からすごく疲れた。
「先生!良かったら一緒に食べませんか?」
沢田君・・・。
「ありがと、でも食欲無くて。」
「大丈夫っすか?」
山本君・・だっけ?
「うん、平気平気・・・。」
あれ、おかしいな。
なんか、目の前が白くて眩しい・・・。
「先生!?」
沢田君・・?
なんだろう・・・。
声が遠いような・・・・。
「・・・へ?」
「あ!気がついた!」
えっと。
私なんで寝てるんでしょう?
「いきなり倒れるから・・山本と獄寺君が運んでくれたんです。」
「ったく、人の心配する前にてめぇの心配しろよ。」
「まぁまぁ、気がついたんだしいいじゃねぇか。」
倒れたのか私・・・。
って!
けが人に運ばせてしまった!?
「ごめん!怪我してるのに!」
「そう思うなら倒れんな。」
ごもっともです・・・。
「あ、じゃぁ授業に戻ります。シャマルは今ちょっと出てるけどすぐに戻ると思いますから。」
「ありがとう、沢田君。山本君、獄寺君、ほんとごめんね。」
3人がでていって、一人保健室のベッドで横になる。
なんだかなー・・・いきなり倒れるなんて。
まぁ最近ご飯ろくに食べてなくて、寝てなかったのは認めるけど・・・。
ガラガラ・・・・
でも食べてももどしちゃうし、眠れないし、薬きかないし。
「はぁ・・・。」
これから先やっていけるのかなー・・。
なんか迷惑ばっかりかけそう。
「・・・顔色、悪いね。」
あー・・なんか、また幻聴が・・・ってこの声・・!!
「ヒヒヒヒヒヒヒヒ雲雀君!?」
「どもり過ぎ。」
そりゃぁどもりもしますよ。
初対面でキスされたんですから。
「ど、どうしたの?授業はじまるでしょう?」
「倒れたって聞いてね。五限目は自習。」
なんていうか、すごく簡潔に話すよね〜?
すっきりしてる。
わかりやすくて、いいな。
って、もしかして・・・。
「キスしたから倒れたと思ったの?」
「キスで倒れるくらい僕に夢中なんだ。」
「違います、体調不良です。」
はは、なんかすごく強いよこの人・・。
「・・・少し眠ったら。」
「いえ、なんか身の危険を感じるので遠慮します。」
「それなら問題ないよ。僕がここにいれば誰も近づかないからね。」
いや、一番危険を感じるのは貴方ですよ・・。
って、先生の言うとおりだった!!
「うー・・・眠くなってきた・・・。」
夜は眠れないのにこんなときばっかり眠くなるなよ自分!!
「・・おやすみ、。」
・・・あれ?
なんか今名前呼ばれたような・・・。
名前教えてないような・・・。
・・・だめだ・・・眠い・・・・。
「スー・・・・スー・・・。」
「まったく、本当に無防備だね。・・・この僕に心配させるなんて、覚悟はいい?」
目が覚めたらもう下校時刻だった。
今日は午後に授業を持っていなかったから助かったけど。
「、大丈夫か?」
「はい、スミマセン・・。初日から倒れて。」
「気にするな!なんでも相談しろよ?」
「・・・はい!」
雲雀君にセクハラされました、なんて相談できないし!
家について、早く布団に潜り込みたくてすぐにシャワーを浴びた。
さっぱりして、髪を拭きながら鏡を見るとそこには・・・。
「!!!なんですかこれ!?」
まったくもって、身に覚えのないそれが数箇所に確認できてしまった。
「き、きすまーくって奴だよね・・?これ!?」
人生で初めてつけられたそれに顔が赤くなる。
決してのぼせてません。
「恋人につけて欲しかった・・・じゃなくて!誰が!?」
といって、思い浮かぶ人物は一人。
目が覚めたときにはもういなかったけど。
それはたぶんシャマル先生が戻ってきたから。
そう、絶対彼だ。
「雲雀恭弥・・・恐るべし・・・。」
どうやら恐ろしい相手に目をつけられてしまったようで。
でもおかしい。
だって、私なにもしてないしー!?
明日から学校行きたくない・・・。
誰か、ヘルプミー!!!!
あとがき
なんか急に書きたくなった学校もの。
雲雀君って・・・・。
