「綺麗な髪・・・」

「あぁ?そうか?」

「うん・・・いいなー・・・。」






















告白は勢いで?


























「おい?きいてるのか?」

「・・え?あ、私?聞いてませんでした。」

「「「「あははははは」」」」」

いつもの生活。

なにも変わりがない。

でも、私には大きな穴が開いたみたいな空虚感。

何故って?

最近、彼をみないから・・

彼こと獄寺隼人。

なんかいつもキレてて怖いイメージあるけど・・本当は・・・

「・・なにしてるんだろう・・。」





その日の昼休み・・

私は一人屋上で弁当を広げていた。

真っ青な空が・・彼の髪のように輝いていたから。

「・・重症かも・・。」

「なんだ、風邪でも引いたか?」

「ぎゃー!!!!」

誰もいないと思っていたのに突然空を遮った彼の顔に思わず大絶叫。

もちろん獄寺君はものすごく不機嫌な顔に。

「おい!叫ぶ理由がねーだろ!!!」

「あ・・ごめん・・いや、驚いてさw」

「語尾に w をつけるな!!」

「なんでわかるの!?」

久しぶりの声・・。

ちょっと低いけど、どこか穏やかだ。

「ねーずっと学校休んで何してたの?」

「・・テメーには関係ねー。」

「そういうと思った・・。」

思っていた通りの答えに、なんだか体から力が抜ける。

お弁当を広げたのに、食べる気にもなれなくて、そのまま空を仰いだ。

「・・・いつも一人だな、。」

「え・・んー・・ま・・ね・・色々あるのさ。」

一人でいることは苦じゃない。

でも、本当は誰かに傍にいて欲しい。

でも、それが叶わないから一人でいるだけ。

「・・獄寺君って髪キレーだよねー。」

「あ?そうか?」

「うん、すっごい綺麗な色、眼も。」

はじめて彼を見たときから、ずっとそう思っていた。

その眼と、髪の色にいつも視線が奪われる。

「・・・私だけのものにしたくなる・・・なんちゃって・・。」

「あぁ?・・・俺は十代目のもんなんだよ!ふざけた事いってんな。」

じゅうだいめ・・・って沢田君のことか・・。

なんで男に嫉妬しないといけないのよー・・・!!!

「・・ま、たまにならお前のもんになってやるよ。」

「・・え?今なん・・!!」

横で仰向けに寝っころがっていた体を起こした彼に、一瞬でふわっと視界を奪われた。

そして唇に感じたわずかなぬくもり。

「・・・な・・・私のファーストキス!!!」

「あー十代目に報告が・・」

気付いたら・・・

そそくさとその場を立ち去ろうとする彼の背中に抱きついていた。

「なっ!?」

「・・でしょ・・・。・・なんで・・したのか答えなさいよ・・。」

「・・・・・惚れてんだよ!!に!あーもうこれでいいだろ!!!浮気したら吹き飛ばすからな!!」

吹き飛ばす!?

驚いている間に彼は走っていってしまった。

てか、吹き飛ばすってなに!?

「・・・あはは、今度は隼人って呼んでみようっとw」

異常に切れやすくて、異常に恥ずかしがりやな隼人。

キラキラした美しい彼の色は、私のもの。

「沢田君・・・絶対にわたさないから・・・。」

その青く澄んだ空は、いつまでも輝いていた。

まるで、愛しい彼の瞳のように。