何かを失ったような喪失感。
私は変わらず一人。
どうして?
逢いたい。























ここから。〜3ヵ月後〜

























もう3ヶ月も病院から出ることを許されず、毎日リハビリ。
「いい加減外に出てハッチャケたい・・・。」
「は・・なに?まぁ明日は退院できるんだ。もう一晩我慢しろや。」
このベッドで初めて目を覚ましてから流れた時の中で、
私は右腕として新しいそれを得た。
機械鎧。
手術はこれでもかってくらい痛くて、リハビリも苦しかった。
でもベッドで寝ているだけはいい加減嫌だったし、暇だったから
毎日リハビリを普通の何倍もやって、やっと退院の許可を得た。
「そうだけど・・あ!あのさ、退院した後私帰るところないんだけど?」
「あ〜、その事なんだが。俺んちに住むことになったから。」
・・・・・
「はい!?」
あの日、マスタング大佐たちが帰った後現れた青年が私のお目付け役として
毎日来てくれていた。
名前はジャン・ハボック。
そう、言わずもがなハボック少尉である!!
少尉とはとても気があって、毎日少尉がきてくれるのが楽しみだった。
でも、一緒に住むってそれはさすがに問題でしょう!?
「なんでうら若き乙女が狼と暮らさなきゃいけないのさ!?」
「狼って・・(汗 いくらなんでもガキに手はださねぇって。」
ガキ、という言葉にむかっときた。
そりゃ今外見は8歳の子供だけど。実際は
「17歳だから!!!」
「はいはい。んでも今はガキだろ。」
「うっ・・」
なにも言い返せない・・。
にしても・・やっぱりかっこいいな〜v
少しくすんだ金髪に、透き通るビー玉のような碧。
それにハスキーボイスv
「きゃ〜っハボ〜v」
「うわっ!なんだよいきなり!!」
「えへvねぇねぇ!お兄ちゃんになってよ!」
「はぁ?別にかまわねぇけど・・。」
「やったぁ!ジャン兄vよろしくね〜!」
「・・・・なんかものすごい疲れそうだな。」
今なんか聞こえたけど気にしない気にしないv
それにしても、早くエドに会いたいな〜!
エド、そう、鋼の錬金術師エドワード・エルリック!
ジャン兄と仲良くなってからエドのことをさりげなく聞き出して
帰ってきたら紹介して!!!ってお願いしたのに未だに帰ってきてないらしい。
「あぁ〜、早くエド君に会いたいなぁ。」
「お前そればっか。俺はそろそろ戻るが、いい子にしてろよ。明日朝10時に
 迎えにくっから。」
「は〜い!」
ジャン兄が帰った後はそれはもう退屈だった。
やることがないとどうしてもリハビリしか楽しみがない。
「・・・なんか筋トレばかになりそう・・。」
「引き締まった体は嫌いではないよ。」
「じゃぁぽっちゃりは?」
「嫌いではない、むしろその柔らかい肌が「黙れエロ大佐。」もう少し言葉遣いに
 気をつけたまえ・・。」
いつはいってきたのかちゃっかりとさっきまでジャン兄が座っていた椅子に腰掛け
私の独り言に参加してくれていやがった。
「ナニカゴヨウデショウカ。」
「・・・はぁ、なにか思い出したか聞きに来たのだよ。」
「何も?」
あれから時間ばかり過ぎて、思い出せたことが何もない。
なにか、思い出せそうで思い出せないことがあるのが小骨をのどに詰まらせたような
違和感を募らせるばかり。
「そうか・・。、今から買い物にでもいかないかね?」
買い物?
・・・
「買い物!?行く!!」
「ふふ、素直で可愛いよ。」
「変態ロリコン無能大佐が・・。」
「言ってくれるな・・。だが君は17歳なのだろう?じゅうぶん私の範囲内だ。」
範囲ってなんだ範囲って。
「中尉にいつか殺されろ。」
「なんだ、中尉に妬いているのか?っぐふっ」
ぼすっといい音をたてて力いっぱい投げた枕が大佐の顔面を直撃。
「まったく君は・・。さぁ支度しなさい。日が暮れてしまう。」
誰のせいだ誰の!!
「まったく、っと、確か着替えがここに・・・。大佐は軍服でいくの?」
あったあったv
「あぁ、私服があいにくよごれてしまってね。」
こっちに来たときにきていた服。
ところどころ破けているし、サイズも大きいけど仕方ない。
「って、でてけ変態!!!」
「む?一人で着替えられるか心配「中尉、セクハラされました。」!!」
ガゥンッ
一発の銃弾が大佐の足元にねじ込まれた。
「ちゅ、中尉!誤解だ!私は「外でお待ちください。私が手伝います。」はい・・・。」
思ったとおり中尉は外で大佐の見張りをしていてくれたらしい。
すぐに助けに来てくれた。
「ありがとう中尉v」
「いいのよ。さぁ、着替えましょう。」
中尉に手伝ってもらいながら、なんとか着替えを終える。
はぁ、やっぱり大きい(汗
「む?終わったのかね。・・ずいぶんとぶかぶかだな。」
「だからもとのサイズがこれって言ってるだろ!」
「ほほー・・・。」
「ヤラシイ目でみんなボケ。」
、デートの相手にそれはないだろう?」
・・・今デートとかおっしゃいませんでした?
「は?中尉も一緒でしょ?」
「ごめんなさいね、私は仕事なの。」
・・・・・
「つまりは私とデートというわけだ!」
・・・・・
「・・・・・。やっぱり行かない!」
「そのままでいいのかね?」
うっ
動きにくいだぼだぼの服にぶかぶかの靴。
「よく考えたらお金ないし。」
「私が買ってあげるのだよ。退院祝いだ。」
ふっと、不覚にもかっこいいと思わせるような表情で言われ返す言葉が
なくなってしまった・・。
まさか大佐にトキめいてしまうとは・・・!!!



「じゃぁ、大佐。くれぐれも変なことをしないでくださいね。」
「中尉・・・。」
、たくさん買ってもらいなさい?」
「もち!またね〜!」
「では。」
中尉と病院の前で別れ、歩き出した大佐に続く。
「まずは服だな。確かこのさきの通りに子供服の専門店が・・はっ!」
まずいことをいった、とでもいいたげな反応に苦笑がもれる。
「別にいいよ、このサイズじゃ子供服しか着れないし。」
「・・・とびきり可愛いものを選ぼう。」
「可愛くなくていい。」
大通りに出て、たくさんの人ごみに驚く。
すごい・・・。
そこに広がったのはまさに漫画で何度もみた風景。
と、ちょっと気をとられているうちにあっという間に大佐との距離が
あいてしまった。
「ちょっ大佐!!!!」
「ん?これはすまない、手をつなごうか。」
は?
「もっとゆっくり歩けばいいんだよ!!」
「ふふ、照れ屋さんだなはv」
あ、なんか今突発的に人を殺してしまった人の気持ちが少し理解できた。
って!?
「なんで抱っこなんだよ!!!」
「これならはぐれないし、君も疲れないだろう?」
そりゃ疲れないしはぐれないけど・・・
「ハズイからおろせ!!!」
「あぁ、見えてきた。あそこだよ。」
人の話をきけ!!
激しく内心で怒鳴りつける。
しかし抱っこしてくれたのは、ちょっと嬉しかった・・。
今までこうやって抱っこされたことないし・・。
?着いたよ。」
「あ、うん。ありがと。」
「!?!?あ、あぁ、かまわないよ。じゃぁ好きな服を選ぶといい。」
そっと降ろされ店内に案内される。
もう少し抱っこされてたかった・・。
って!相手はあの変態大佐じゃん!?抱っこは明日ジャン兄にしてもらおう。
「え〜と・・これと、これに。。。これかな?」
「着てみなさい。」
「え?いいよ別に。」
「買ってサイズが合わなかったら嫌だろう。」
ちっ・・・
仕方なく試着室に入り、着て見るとサイズはぴったりだった。
「着てみたかね?」
「うん、ほら!ぴったりじゃん!」
カーテンをあけ、具合がいいのをみせると大佐は眉間にしわを寄せた。
「な、なんだよ・・。」
「可愛くないじゃないか!もっとフリルの着いた「店員さん、これきて帰りたいんですけど」
 !」
この服にする!!
と、脱がずに着ていくことを店員につげ無理やり納得させる。
動きやすくなり会計をしている大佐を置いて大通りに出た。
そして追いついてきた大佐が発した一言。
「まぁいい。今度私がプレゼントしよう。」
「激しく拒むけどね。」
「無理やりにでも着せるさ。」
「へんた・・・・・「?・・?」・・あ、あ、あ、あ、あぁぁぁ!!!」
「!?」
驚いている大佐をよそに私は思い切り走って赤いコートを掴んでいた。
「うぉ!?なんだ!?」
「どうしたの兄さん。」
「鋼の!」
「げっ大佐・・って・・・ん?」
豆って言われるのは納得。
もとの私の身長より低いから。
でも、でもね?
今の私は8歳の子供。
ってことはつまり彼は私より大きい!!
「エドっ!!」
「んな!?」
私ってば大胆v
思い切り抱きついて彼を押し倒してしまった。
!?鋼の!すぐにから離れるんだ!!」
「離れろって、おい?なんだよこのガキは?」
「兄さん・・いつの間に子供を!?」
「アル!?そんなわけないだろう!?」
「エドっ会いたかったよ〜!」
待ち焦がれていた人物の登場に思わず涙が!!
温かい・・・。
本物だ・・・。
本物のエドワード・エルリックだ〜!!!!!
っ」
「うわっ!?」
突然体が宙に浮き驚いているとすぽっと大佐の胸の中にしまわれてしまった。
「なにすんの!?は〜な〜せ〜!!!」
「今は私とデート中だろう。」
「知るかっ!」
「デートって・・「「まさか大佐の子供!?」」
「違う!私のこいび「拉致られたんです・・・」なに!?」
「ほほー。そんな子供を拉致ってまで寂しさを紛らわしたいか変大佐!」
「大佐・・僕尊敬してたのに・・。」
「ちょっとまて!!、誤解を招く発言は「てめぇが控えろv」・・・はい・・。」
笑顔で思いっきり釘をさす。
まったく、こっちが幸せに浸ってるときに!
「「で?どういうご関係で?」」










場所をうつして喫茶店へ。
大佐が全部説明してくれたので、その間パフェを注文して
食べながらエドを見つめる。
あぁ・・やっぱかっこいいな〜・・・。
綺麗なはちみつ色の髪、琥珀のような瞳。
「エドかっこいい・・・。」
「お、おう。」
私の呟きにも律儀に返してくれる。
やっぱ優しいんだぁ〜v
「つまり、は今みためガキだが17歳で、素性はほぼ不明なわけか。」
「そうなるな、。口の周りが汚れているよ。」
エドを見つめていたら大佐に口の周りを拭われた。
その時の瞳がまるで父親のように優しくて思わず顔が赤くなる。
「あ、ありがと。」
「かまわないよvさぁ、デートの続きをしようか。」
え、でも
「エドが「今日は私とデートだ。そういっただろう?」うぐ・・・。」
服を買ってもらった手前断りにくい。
しょうがない・・・。
「エド、明日退院なんだ。会いにきてくれる?」
「いいぜ。大佐、てぇだすなよ。」
「ふ、さぁ行こうか。」
すっと体が浮いたかと思えばまたもや大佐にだっこされてしまった。
「ふぁ!?」
「では失礼するよ。」
さっさと店をでてどこかに向かって歩き始める。
顔は見えないけど、きっと笑ってるんだろうな〜。
「大佐、どこいくの?靴もさっきの店で買ったし・・・。」
「日用品の買出しだよ。荷物は少尉の家に届けておこう。」
なんだかな〜。
漫画で知っている大佐は女ったらしで、サボり魔で・・・
まぁたまにかっこいいところもあったけど。
「・・・意外といい人なんだ・・。」
「意外とは心外だな。」
「だって、こんな子供にここまでする?普通。」
「・・・私は君のことを子供としてみていないよ。」
「え?」
顔がみたくて、少し腕に力をいれて胸をおし見上げるとどこか
辛そうな顔があった。
ってもしかして
「重い!?自分でっん・・・!?」
「重くなどないよ、さぁ、ここだ。」
・・・・今、今!!
「キスした!?」
「ん?クリームが残っていたのでねv」
「ど変態!!!」
少し見直したのは間違いだったかも・・。
はぁ、やっぱりこの人苦手だ。
女ったらしは嫌い。
大佐のぶわぁっか!!!