大人と子供の差って何だろう。
きっと賢い君はいろいろ上げてくれるだろうけど。
身長とか?
そういったら、君はなんていうかな?































何cm+α























ここはラッシュバレー。

機械鎧のメッカ。

私もここで勤務できるのは何気に嬉しい。

っても技師じゃないし、軍人として町の安全を守るのが仕事。

でもここではそう滅多にひどい事件は起きない。

ささいなごたごたは良くあるけれどね。





さん!今日はお休みですか?」

ここ最近仲良くなったウィンリィちゃん。

鋼の錬金術師、エドワード・エルリック君の幼馴染なんだとか。

エド君とは東方司令部にいたときから仲が良かったし、彼らに彼女の話は聞いていたから

すぐに仲良くなった。

「うん、だから散歩がてら日用品の買出しv」

「気をつけていってきてくださいね!」

「ありがとう。」

まぶしい笑顔を残し、彼女は修行している店へと飛び込んでいった。

「可愛いな〜・・・。」

そう、ウィンリィちゃんはすごく可愛い。

そして優しくて、働き者で、スタイル良くて頭がいいうえに機械鎧の技師!

「す、すごすぎる・・・。」

ふと、自分の事を並べてみる。

スタイル悪くて、頭悪くて、運動神経鈍くて、優しくなくて、どじで・・・・

「いいところって・・身長高いくらい・・・?」

といっても秀でて高いわけじゃないし。

「いいとこなしですか・・。」

独り言を呟きながら大通りを進んでいたら、少し先に見覚えのある2人組の姿を発見した。

赤いコートに金髪でみつあみの少年にやたら大きな鎧の目立つコンビといえばー?

「エド君!アル君!」

「「!!!?」」

久しぶりに会う2人は私のことを覚えていてくれたようだ。

「良かった、覚えててくれたんだね。」

「忘れるわけないよ!」

「てかなんでお前がここ(ラッシュバレー)にいるんだよ?」

最後にあったのはもう何ヶ月も前&東方司令部で。

あの後すぐにラッシュバレーに転勤になったので二人にしたら何故!?とちょっとしたドッキリになったらしい。

「あの後、すぐに転勤になってね。今はここが私の勤務地。」

「そうなんだ、軍人も大変だね。」

「うん、でも慣れっこだから。って・・・二人ともなんでそんな傷だらけ?」

嬉しさが勝って気付くのが遅れたが、良く見なくてもわかるほど二人はぼろぼろ。

「ちょっと、な。」

そういって、顔を見合わせて黙ってしまった二人。

いつもそうだ、なにかあっても話してくれない。

いつも、どこか距離を置かれている。

「そっか、じゃぁ!私買い物があるからこれで。」

「あ、!僕らガーフィールさんのお店にいるから!」

「ラジャ。」

あの様子じゃウィンリィちゃんに修理を頼みにきたのだろう。

少し、羨ましい。

「私、何もできないんだもんな・・・。」

なんだかへこむ。

久しぶりにエド君達にあえて嬉しいはずなのに。





「っと、これで良し。」

ボディソープ、石鹸、化粧水、布巾、台所洗剤、洗濯洗剤、パン、フルーツ(ジャム用)、マーガリン。

買い物を終え、部屋でかい出したもののチェック。

メモに書いておいた買いたす物とみくらべ、全部ゲットしたことを確認。

それぞれしまい、フルーツを手に取る。

「時間はまだ午後2時、ジャムを作って、洗濯物を取り込むと午後5時少し前。夕飯は6時から作って7時半に食事。

 9時にシャワーを浴びて、10時に明日の予定の確認。11時に就寝。」

ざっと今日のこれからのスケジュールを立て、行動に移す。

「さて、はじめますか。」

まずはジャム作り。

林檎、キウイを下準備しそれぞれ火にかける。

「ん〜いい匂い♪」

煮詰まってきたところでビンに移しさっと蓋をしめさかさまにしておく。

「このまま冷ませば出来上がり。明日は苺と、オレンジで作ろうっと。」

そのままベランダへ出て洗濯物を回収&収納。

時間を見れば・・・

「4時52分。」

タイムスケジュール通り。

ここから少し夕飯の支度まで時間が空く。

「ってことでちょっと片付けを《コンコン》・・?はーい。」

間のいい客人だな〜なんて思いながら扉をあけてみれば

「よう。」

「エド君!」

そこにいたのはエドワード君。

って、

「なんでうちの住所しってるの?」

教えた覚えはないんだけど。

「ウィンリィに聞いた、ちょっと邪魔するぜ。」

なるほどって〜!!

「こら、勝手にはいらないの〜!!」

すたすたと家主の許可なく室内へ侵入。

「不法侵入。」

「ちゃんとドアから入ったからいいんだよ。」

いや、良くないでしょう・・。

「?なんか甘い匂い。」

「ジャム、作ったから。林檎と、キウイの2種類。」

「へぇ、って料理できるのな。」

「何年一人暮らししてると思ってるのかな?」

ふふん、とちょっと自慢げにのけぞってやったら飽きれたような、可笑しそうな顔をしてどかっとソファに座った。

そういえば

「何かよう?」

わざわざ私の部屋までくるなんて。

「・・さっき、なんか元気なかったろ。」

真っ直ぐにこちらを射抜いて、その後床に視線を移す。

時折みせる幼さ。

言えるわけないよね、ウィンリィに嫉妬して滅入ったなんて。

あなた達のことをもっと知りたいだなんて。

「ちょっと、風邪気味なの。心配してくれたの?ありがとう。」

そっと、彼の頭に手を置いて体をかがませ、視線を合わせる。

するとみるみる彼の顔には不機嫌そうな表情が広がっていった。

「いつも子ども扱いするなって言ってるだろ!」

むすっとしながら声を張り上げる。

かといって手を振り払うわけでもなく、ちょっとした彼なりの背伸び。

そういうところが子供なんだけどな〜。

なんて言ったらもっと機嫌損ねそう(笑

「はいはい、ご飯、食べていく?」

「・・・・おう。」

彼のおかげでちょっとしたタイムホールは埋り、調度夕飯の支度を始める時間。

「今日は野菜たっぷりスパゲッティに鶏肉とトマトのあったかスープだよ。」

エプロンをつけ、さっそく調理にかかる。

しっかりと味が染み込んだスープとスパゲッティが出来上がったのは7時少し過ぎだった。

後は皿に盛り付け、テーブルに運ぶだけ。

「俺も手伝う。」

私が料理をしている間あまり話さず、

ずっと料理が出来上がるまでを観察していたエド君が立ち上がってお皿を用意してくれた。

料理を運び終え、二人でテーブルについたのは7時26分。

「じゃぁいただきます。」

「・・・いただきます。」

カチャカチャとお皿がなる音が室内に響く。

つまり、それだけ静かというわけで・・。

「どうしたの?おいしくない?」

さっきから様子がおかしい。

元気がないって言うか、すねているというか。

「うまい。」

・・・・それだけ!?

頑張って作ったんだけどな〜。

なんだか寂しい食事を終え、食器を片付ける。

「エド君、そろそろ戻るんでしょう?途中まで送るから。」

全て洗い終わり、食器棚へとしまう。

返事をしないエド君をみれば、何か悲しそうな表情。

・・・なんか、私変なこといった?

料理まずかったとか・・・?

なんだか、こちらのほうが悲しい気分になる。

「じゃ、行こうか。」

玄関に向かい、コートを手に取ろうとしたとき右手を掴まれソファまで連れて行かれた。

そしてぐいっと引っ張られ、拍子抜けしていて体に力が入っていなかった私はドサッといい音をたててソファに体を沈めた。

「っつ、エ、エド君?」

驚いて、見上げればなんか険しいお顔で・・・。

「今日泊まるから。」

「・・・え、えぇ!?」

突然のお泊り宣言に少々戸惑う。

だって・・・

「どこに寝るの?パジャマないよ?アル君と喧嘩でもしたの?」

そう、寝るところがない。

しがない一軍人の借りているアパートに客室なんてついてませんよ・・はは・・。

「ソファで寝る。服はこれでいいし。」

「私にしたら良くないよ、風邪引いたらどうするの?送っていくから、ね?」

わがまま言わないで、なだめる思いで頭を撫でてやる。

パシンッ

!!

「っ!」

思い切り腕を払われた。

「・・・どうしたの?料理まずかった?」

「んで・・なんでそんな子供扱いするんだよ!!」

・・・子供扱いされていたのが嫌だったって事ね・・。

「ごめんね、そんなつもりはないの。」

「無意識に子ども扱いしちまうほど俺が子供だっていうのか!?」

火に油・・・(汗

「違うよ、大切にしたいって、思うから。大事に思っているから。」

年下っていうのはとても難しい。

自分では意識していなくても、どうしても子ども扱いだと思われてしまう。

「でも、エド君はまだ子供だよ。確かに知識や、体術、錬金術では大人も顔負けだけど

 まだ肉体的、精神的にも幼いって事を自覚しないと。」

「っ俺のどこが子供だっていうんだよ!!」

「そうやってすぐに熱くなるところ、子供って言われてムキになるところ。」

「・・・は・・は俺のこと子供としてしかみてないのか?風邪ってのも嘘だろ。

 俺は相談もできないくらい子供ってことかよ・・?」

少し押し黙って、搾り出された声。

もう声変わりをしているし、確かに大人に近づいている。

「うぅん・・、確かに子供としてみているところはあるけど・・・。」

「・・・正直すぎ・・・。」

ズドーンと暗い影をしょって落ち込んでしまったエド君。

「子ども扱いって、悪いことじゃないと思うけど・・。」

子供なんだし。

ちゅっ

「っ!」

「俺は、男として見られたい。」

キスされた・・・?

驚いて、体が動かないでいたら思いきり抱きしめられた。

その力はすごく強くて、そして、思っていた以上にその胸は広く大きかった。

「・・・て、抵抗しないのか?」

聞こえてくるエド君の心音はこれでもかというほど大きくて。

「クス・・・エド君すごいドキドキしてる。」

「!!だから子ども扱いはするなぁぁぁぁぁ!!!」

「あはは。」

頭を抱えてもだえる彼に笑みがこぼれる。

「・・・エド君、私大人だよ?すごく年上で、可愛くなくて、スタイルわ「それ以上言ったら殴る。」・・・。」

再びぎゅっと抱きしめられ、その逞しさに再び驚く。

は、可愛いし、優しいし、料理うめぇし、誰からも好かれて、すげぇと思う。・・・んでも!!

 誰にでも優しくするな!」

「どうして?」

ちょっとだけ、イジワルな質問。

きっと彼は私の望む答えをくれる。

「・・お、俺は!が好きだ!だから俺だけに優しくしてればいいんだよ!」

・・・真っ直ぐな想い。

でも、まだ幼い彼の想いはいつまで私に向けてくれるのだろう。

「・・・私も、エド君が好きだよ。」

「君付け禁止!!」

あなたが大人になっても、私を好きだと言ってくれることを願って。

「今日、一緒に寝よっか?」

「んじゃ朝まで寝かせ「子供が生言わないの!!!」子供じゃねぇ!!」

ウィンリィに嫉妬していたのは、きっとエドのことが好きだから。

でも、年齢差を気にしてその思いをずっと封じてきた。

それをあっさり破られて、お互い同じ想いだと知ったけれど。

心配だなぁ・・・この年代の恋心って、激しいけど一過性なことが多いから。

「私がおばあちゃんになっても、好きっていってくれる?」

「当然!!」

はは・・・神さま、どうかこの幼い恋人をお守りください。

そして、共に同じ道を歩ませてください。

どうか、どうか・・・・


・・・・って、これってなんか母親の心理っぽいような・・・。


















おまけ


二人並んでベッドの中v

ってさ、身長何cm?」

「とりあえずエドよりはあるけど?」

「!!ぜってぇ抜かす!!」

あはは、可愛い〜v

・・ちょっとからかってみようかな(笑

「知ってる?身長でその人の幼さがわかるんだよ。つまり、背が低いほど子供っぽいの。」

「はぁ?んなわけないだろ?」

「よく考えて?マスタング大佐とハボック少尉を比べるとよくわかるじゃない。」

「大佐と少尉?」

「大佐は男性にしては高いほうじゃないでしょう?そして、考え方が子供っぽい。少尉はあぁみえて
 
 すごくしっかりしていて、大人の考え方をしているから部下からの信頼も厚い。」

「う・・そういわれてみっと確かに・・・。」

「私は女性としては高いほうに一応はいるし、ホークアイ中尉も、そうでしょう?」

「・・・・。」

「クス、エドはどれくらい背が伸びるかな?」

「!!ハボック少尉よりでかくなってやる!」

こういう話を真に受けて・・・ふふ、やっぱり子供だな〜。

・・・え?

ってことは私・・・犯罪かこれ?

「・・・。」

「んっ!・・はぁっこら!なに上にのってるの!」

「何って、男女が同じベッドに寝てたらやる事は一つだろ。」

「ストップ!!!18歳になるまで禁止!!キスだけ!!」

「な!!そんなん我慢できるかぁぁ!!」

「い、いや〜!!!!」










翌日、エドはアルと再び旅へと戻っていった。

アル曰く、なんかやたらと機嫌が良かった、と言っていたそうな。

そして

「准尉!書類を忘れるなんて君らしくないぞ!」

「も、申し訳ありません!!」

寝る前に予定を確認し忘れ、上司に怒られるの姿が目撃されたとさ。