真っ白で大きな月が満ちていたあの夜。
私は兎に出会った。
兎は言ったわ。
「必ず迎えに来る。」
でもあれから三ヶ月、なんの音沙汰もない。
きっとあれは夢だったのね。
アクマなんていないんだから。
笑顔
「?まだ起きていたの。早く寝なさい。」
「はぁい。」
母に促されベッドにはいった。
見たこともない気持ちの悪い化け物に襲われたを救った
少年が姿を消してから3ヶ月、毎夜窓辺にひじをつき空を見上げていた。
には、少年が月から現れたように思えたのだ。
実際少年は空から降ってきた。
まるで、月にすむ兎が助けに来てくれたかのような・・。
「馬鹿みたい・・。」
月明かりに照らされた天井を見上げながらため息がもれる。
「誰が馬鹿なんさ?」
自分しかいないはずの部屋に木霊した声に驚き、体を起こす。
「え・・誰?」
すっと、月明かりが入る窓の前に進み出たのは少年だった。
月明かりに照らされるその顔には覚えがある。
「・・兎さん。」
「?兎?俺はラビ。迎えに来たさ。」
ラビ・・ラビ・・ラビット・・?
そんなことを考えているとはしらずラビはのいるベッドの横に
歩み寄りひざをつく。
「名前、教えて欲しいさ。」
「・・。あなたはあの夜の・・。」
そう、あの化け物から自分を救ってくれた兎。
「、いい名前。約束どおり迎えにきたんさ。」
もう、とっくに忘れられたと思っていた。
もしくはばかげた夢だったと。
「夢だと思っていたわ。」
正直に答える。
そんなを見て、どこか悲しげな笑みをみせるラビ。
「悪かった。忙しかったんさ。でも、会いたかった。」
そういうとそっと、を自分のもとへ引き寄せる。
あの夜。
ラビは恋に落ちていた。
一人の少女に。
名前を聞くことも、名乗ることもできずに去ったのは
心残りだった。
迎えに来る前に、もしかしたら忘れられたかもしれないと、不安で
胸が押しつぶされそうになっていたのだ。
そんな自分を覚えていてくれたことには正直に喜んだ。
しかし、夢だと思っていたと言われ言いようのない複雑な思いが去来した。
そして、二度と離れたくないと強く願うラビ。
「・・まだ会ったばかりだよ?それなのにそんなこと言っていいの?」
期待しちゃうよ。
そう呟いた彼女に零れる柔らかい笑み。
「いいんさ、事実だし。好きさ。」
その後のことはよく覚えていないの。
の言葉にリナリーたちははぁ・・・と息をもらす。
「まるでドラマのようですね。」
「ふふ、私もそう思うわアレン。」
久しぶりに集った仲間達。
リナリー、アレン、神田。
そしてリーバーさんにコムイさん。
食堂で食事を摂っているときに以上の仲間達が次々と集まり、
いつの間にか恋バナに話が沸いた。
「そういえば、ラビと付き合ってるんですよね?」
はじまりはアレンのこの一言。
「ねぇ。ラビとはドコで出会ったの?」
興味に染まった瞳はそうは覚めない。
そこでは仕方なくラビとの馴れ初めを語ったのだ。
「ふふ、ラビもやるじゃないか。」
「兄さんたら、でもちょっと羨ましい。まるで白馬に乗った王子様の
話のようね。」
「本当ですね。ドキドキして息が詰まっちゃいました(笑」
「な〜に楽しそうに話してるんさ?」
「「「「「!!!!!!」」」」」
「ラビ、今私達のであった頃の話をしていたの。」
「!、恥ずかしいから言っちゃダメだって言ったろ?」
そういうラビは恥ずかしがっているように見えなかったと言う。
むしろ自慢げだったとか(笑
(((((ラビ、恐るべし)))))
あとがき
甘く切なく仕上げるつもりが最後はもうギャグに近くなって
しまいました(汗
