鮮やかな黒
あなたはどうしてそこに囚われたの・・・?
私に囚われてくれたらよかったのに・・・




















黒×囚


















心地よい風が室内を吹き抜ける。

いつもと変わらず、学校から帰宅したは部屋の窓を開け

机にかじりついている。

もうすぐ、中間テストがあるのだ。

普段勉強なんか嫌い〜と言っていてもやるときはやる。

のんびりするのが好きであって怠けるのが好きなわけではない。

「はぁ・・もうなんだよこの数学式〜!!!!」

数学と向かい合ってすでに2時間。

休憩も忘れ集中の続くままに解いてきたのだが・・・

「もうやだぁ・・・」

何をどうやっても解けない問題にぶち当たりさすがに気力が途切れた。

やってられるか・・・!!!

ふっと、机から離れ冷蔵庫で冷やしてあるプリンを食べに行こうとドアを

向いた体は動かなくなった。

さっきまで、いや、ずっと一人だった部屋。

だが目の前のベッドで横になっているこの男は・・・

「ウルキオラ!?ドコからはいってきたの?いつ来たの?何で声かけてくれなかったの?」

ふってわく当然の疑問。

ベッドで横たわっていたウルキオラはすっと体を起こし、座りなおす。

「窓、一刻ほど前、集中しているようだった。」

淡々と、答えだけを並べるウルキオラには頭を抱える。

今は会いたくなかった。

会えば、勉強なんて手につかなくなるから。

「しばらく、こないでって言ったよね?」

下を向き、抑えても抑えても湧き上がる喜びに我慢しながら問う。

そう、3日前に勉強に集中したいからしばらく会えないとウルキオラに告げてあった。

「それはお前の都合だろう。俺には関係ない。」

どこか、いつもと違うとげとげしい言葉にの体が震える。

「なに・・怒ってるの・・?」

どさっ

「え・・・?」

机に寄りかかり、ウルキオラと距離をとっていたはずなのに目の前にあるその顔。

背中に感じるスプリングの軋み。

「ベッドに組み敷いた。」

「い、言われなくてもわかってるから!」

さも当然のように言い放ったウルキオラに戸惑いを隠せない。

「質問に答えてよ!」

精一杯の強がり。

こうなってはウルキオラのされるがままだ。

力では決してかなわないのはわかっている。

「・・・ただでさえ会える時間が限られている。」

はすぐにウルキオラが何を言いたくて、何に怒っているのかが理解できた。

なかなか会えないのに、さらに自分の都合で会えないといったに怒っているのだ。

勉強とは、愛しいものより優先されるものなのかと。

「・・ごめん、ウルキオラ。会えて嬉しい・・会いにきてくれてありがとう。」

押さえ込んでいた感情がせきを切ったように溢れる。

、愛している。お前は俺に愛されること、愛すことを教えてくれた。」

そっと、ウルキオラの唇がのそれに触れる。

「それは私のセリフ・・」

ウルキオラの流れるような黒髪に手をのばす。

「ねぇ、お願い。闇に囚われるなら、私に囚われて・・?」

の切なく、思いつめた声色に一瞬、戸惑いを見せたウルキオラ。

だがすぐにいつもの表情をみせ、の耳元で囁く。

「今更だな。」






















おまけ


「あ!!!」

突如の上げた叫び声にウルキオラは思わず体を離す。

「耳元で大声を出さないでくれ。」

「ごめん、ちょっと待ってて!!」

どたどたと部屋を出て行くとまたどたどたと階段を駆け上がってくる。

「ほら、プリンvよく冷えてるよ〜w」

「・・・・・。」

ものすごく嬉しそうな顔に少し複雑な思いを描くウルキオラ。

そして彼はこう思ったとさ。

俺よりプリンか・・・・?


























あとがき










ウルキオラ〜!!に最近心揺すぶられる管理人です。