「なに・・巫女に付き添い・・?」
威厳のある声が静かな部屋にこだまする。
「はい。吉良副隊長からの報告によりますと、その者はかなりの霊力の持ち主とか。
そして巫女様のご親友だそうです。」
情報局のものは静かに吉良の報告書を読み上げる。
「・・ふむ、使えるかも知れんな。」
その声には威厳とは別の殺気のようなものが混じっていた。
そして・・・
ソウルソサエティの闇が大きく動き出そうとしていた・・・・。
銀〜死の世界〜
「本気かよ吉良!!」
ここはうちの部屋。
んで、今ここに二人の死神が向かい合って座っている。
うちはベッドに座って二人の様子を傍観。
「阿散井君、お静かに」
今吉良さんに阿散井と呼ばれたこの男はさっき優子の病室で、
びんたをくらわせてやった男だ。
もう一人の、黒髪で変わった髪飾りをつけた朽木さんという人は優子のそばに残っている。
そしてなんでこの阿散井さん?がいるかというと
「これが静かにしてられるか!何でこの暴力女まで一緒に連れ帰んなきゃなんねんだ!!」
そう、うちがソウルソサエティに行くことになったと聞いた阿散井さんが納得できない!
と、怒り出したのでとりあえずうちの部屋に連れてきたのだ。
あんなに枕もとで騒がれたら優子だって迷惑だろうし。
・・・って
「誰が暴力女だって!!?」
「お前だ!勝手につっぱしった挙句俺を殴ったのはお前だろうが!!」
「それは悪かったね!ごめんなさい!!」
「(怒)お前人をバカにしてんのか!!」
「はぁ〜(汗 二人とも落ち着いて!!!!」
「「は、はい」」
吉良さんが怒った・・・。
こ、怖い・・
「まったく、子供じゃないんですから・・。ともかく、さんは一緒にきていただきます。
すでに上からの許可が下りたと連絡もありました。」
ゆっくりと諭すような口調にほっとする。
「ざけんな!大体巫女じゃないこいつがどうやってくるんだよ!」
「それは霊子変換機を使います。」
?れいしへんかんき・・?
「あ、さんはわかりませんよね。あなた方の細胞は因子によって形成されていますが、
我々は霊子によって形成されています。ゆえに、そのまま我々の世界に来ても触れる事もできません。
なので霊子変換機を使い、あなたの因子を霊子に変換させ霊と同じ状態にするんです。」
はぁ〜、なるほど!!
「のんきに説明してんじゃねぇ!」
っとに
「う
「阿散井君、これは決定事項です。」
るさいと続く言葉はのどにつまった。
吉良さんがあまりにも冷たく言い放ったから。
これには阿散井さんも黙るしかないようだ。
「・・・っ。わかった。ただし!俺は向こうで何があっても関係ないからな。」
「(微笑)はい」
微笑んだ吉良さんはもういつもの吉良さんに戻っていた。
そういえば、隊長とかあるってことは階級があるのか?
「あの、吉良さん?」
おそるおそる声をかける。
すると
「はい?」
と、穏やかに振り向いてくれた。
「その、死神に階級とかあるんですか?」
「はい、隊長から副隊長、副官補佐など様々に。」
ふ〜ん?
軍隊みたいなもんなんだ?
「じゃあ、吉良さんは?」
「僕は副隊長をしています。この阿散井君もですよ。」
副隊長・・・
「えっ吉良さん強いんですか?」
はっ失礼だった!?
「くす・・はい、一応。そんなに慌てなくても気に障っていませんよ。」
よ、良かった・・・。
ん?
「阿散井さんも?」
「おい!文句でもあんのか?」
ぎろっと睨まれる。
ちょっと怖いかも・・
「まぁまぁ。朽木さんを覚えていますか?」
ありがとう吉良さん!
「はい。変わった髪飾りをつけた方ですよね。」
「えぇ。あの方は六番隊の隊長なんですよ。」
え!?あの物静かな人が隊長!?
「そうなんですか・・・隊長って言うからてっきりマッスルな人かと・・」
「「マッスル?」」
二人が顔を見合わせて笑い出してしまった。
かなりはずい(汗
「くすくす・・・マッスルは良かったですね。ちなみに市丸隊長も細身なかたですよ。」
ちょっと意外かも。
って・・
「いつまで笑ってんの!!」
「くくく、今時マッスルとは・・・くくく」
くっ(怒)
いつか見返してやる!!
「くすくす・・さて、阿散井君?そろそろ戻らなくてはいけないのでは?」
ふと時間を見ると午後九時を回っていた。
「んぁ?そうだな。じゃぁな吉良、怪獣女に食われんなよ!」
なっ
「誰が怪獣女!!??」
言い返したときにはすでに本人はいなかった。
どこまでも失礼なやつ。
「さん、気を悪くしないでくださいね。
さて、僕も長居してしまいましたね。隊長も見つけなければなりませんし、
僕は先にソウルソサエティに戻ります。
携帯は隊長に確認し向こうで連絡しますね。
優子さんが目覚めたとき、彼らにあなたを迎えにくるよう頼んでおきました。
また、お会いしましょう。
おやすみなさい・・・。」
それだけ言うと吉良さんは出て行ってしまった。
お礼も挨拶もできないなんて・・・。
今度会ったらきちんとお礼言わないと!
ソウルソサエティに行ける事になったのは吉良さんのおかげだし。
・・・ん?
そういえば霊子にしないと向こうではだめって言ってたよね。
じゃうちの携帯は?
もしかして、市丸っていう隊長さんはこっちにいるんじゃ・・・・?
「・・・少しいいいか?」
・・・っえ!?
聞きなれない声に驚いて振り返るとそこに立っていたのは朽木さんだった。
「な、なんでしょうか?」
緊張で声が上ずる。
この人はなんだか苦手かも・・。
「・・巫女の事だ。」
?優子の?
「巫女に特定の男はいたか?」
特定の?彼氏ってこと?
「あ・・一時期いたみたいですけど・・。」
「・・・そうか。」
それだけ言うと朽木さんは黙り込んでしまった。
てゆーかなんでそんな事・・。
「あっれ、六番隊長はん!こんなとこで何してはるん?」
っ!!!!
今度は誰!?
声のしたほうを見ると銀髪の、能面のような笑顔がはりついた男が立っていた。
そしてその男もまた黒い着物を着ている。
つまり
「・・・死神?」
「ん?君ボクらが見えるん?」
「え・・あ、はぁ」
「・・兄こそ何をしている?この娘は巫女の付添い人だ。」
?けいさん?
「なんや?巫女はんみつかったんか。そら知らんかったわ〜。
ボクおとといから向こうに戻ってへんのや。」
そういいながらどんどんとうちに近寄ってくる。
そしてついに顔が目の前まできた。
「ふ〜ん?君名前は?ボクは市丸ギンっちゅうんや。よろしゅう♪」
「あ、です。って市丸?!」
市丸って吉良さんの上司でうちの携帯をもっていったらしい市丸さん!!??
「ん?ボクの事知ってるん??」
うちは今朝からの事を市丸さんに説明した。
そのかん市丸さんは黙って話を聞いてくれていたが、何故かずっとにやにやしてて(汗
ふと気づくと
「あ・・朽木さん?」
朽木さんの姿が見えなくなっていた。
どうやら話も終わったし戻ったらしい。
一声かけてくれたらいいのに・・・。
「六番隊長はんならさっき帰ったで。」
気づいてたなら教えてくださいよ・・・。
「まぁええやん♪で?これはやっぱ君のなん?」
そういって目の前に出されたのは行方不明だったうちの携帯。
「っそうです!返してください!」
受け取ろうと手を伸ばすとひょいっと上にもっていかれた。
「・・・あの?」
「(ニコ)ボクの携帯は?」
「え・・・」
それは吉良さんが持って帰った。
つまり
「ここにはないんや?」
「はい・・でも吉良さんが
「はい、すと〜っぷ!そんな事はききたないねん。ボクな、あの携帯がなくて今日めっちゃこまってん。ふと気づいたら知らん携帯やし。
考えたらここで一度落としてな、ここで間違えたんや!おもてもうダッシュでここまできたんや。」
それって自業自得なんじゃ・・
「おかげで一日だいなしやし走ってめっちゃ疲れたし、ボク可哀想やろ?」
可哀想って・・
「は、はぁ」
「(ニコ)っちゅうことで、キスvv」
・・・は?
「はよして〜な♪」
・・・な
「なっ///何言って・・!何でうちが!」
「なんでって・・ここまで届けにきたんに何もお礼はしてくれへんの?」
「お礼ならしますけど・・なんでキスなんですか・・・///」
ってそもそもお礼とかじゃないじゃん!
この人が勝手に間違えたのに!
「そらしたいからにきまっとるやん♪ボク君の事気に入ってしもたみたいや。してくれへんなら・・
ちゅっv
ボクからさせてもらうわvv」
・・・い、今っ///
「ってもうしてるじゃないですか//!!」
ファーストキスだったのに・・・!!!
「あ、もしかしてはじめてやった?」
「/////」
やば、顔が赤くなってるよ///
こんなストレートに聞くか普通!?
「ほんまに?やったvちゃんのファーストキスを頂きや♪」
・・・(怒)
「っの、ばかー!!!!!」
ばっちーん・・・
本日二度目のビンタ。
死神って性格悪すぎ!!!
あ、吉良さんは別だけど。
「いたた・・君可愛すぎや・・・。逃がさへんで・・。」
あーまじムカツクっ
「って?何か言いました?」
「いや、なにも言ってへんで?(微笑)」
?
なんか聞こえたのに・・って!
ともかくこの人は危険だ!
早く携帯返してもらって追い返そう!!!
「あの、携帯返してください!」
「ん?せやねv」
やっと手元に帰ってきた携帯。
はぁ・・
よかった・・・
「そんなに大事?ただの機械やん?」
「確かに機械ですけど・・人と人を繋ぐ大切なものです」
この感触v
やっぱ自分のは最高だよ・・・
「ふ〜ん?そういわれてみたらそんな気もするわ(微笑)っと、そろそろ戻らんとな・・・
もっと話したいけど残念やわぁ↓また会おうなvおやすみっちゅv」
「〜〜〜////っ!何するんですか!!!!!!!」
ってもういないし(泣)
二回もキスを・・・
最悪!!!!
今度会ったって一言も話もんか!!!
不意打ちで軽く風のように奪われた唇。
すごく柔らかな感触だったけど・・・///
会ったばかりでこんな事するなんて最低や!!
ってうつった!!
あとがき
玄「いやっほ〜いvギンさんでてきたで!!これで文句あるめぇ!!」
ギ「もぉ〜最高や♪キスまで出来るとはおもっとらんかったし♪」
玄「そうでしょ〜?」
ギ「ま、今日はこの辺でお別れや。今日もボクの夢見たってな♪」
玄「って勝手に閉めるな〜っ!!」
強制終了!!!!!