ふと目がさめ、時間を確認すると午前十一時。

いつもならとっくに学校にいって授業を受けている時間。

でも、今日から春休みだから。

春の陽気に誘われるまま、二度寝をしてしまった。

だって眠かったし。

変な電話(携帯自体おかしい)のせいで、朝から不機嫌になったし。

なにはともあれ、あの電話からはや四時間。

電話をしてきた相手はきらいづると名乗り、こちらのことは何も聞かず切ってしまった。

今からこっちに来るといって。


住所どころか名前すら教えていないのに。

もしかしたら、あの後電話がきたかもしれないので念のため画面を確認。

「・・・着信なし」

どうやらかかってきていないらしい。

彼はどうやって会いにくるつもりなのだろうか?

そもそもなんで知らない人間の携帯が枕もとにある?

今日は憂鬱。

     







 銀〜死神〜

 






 






「ん、腹減った・・・」

まだ頭は通常時の半分も働いていない。

でも人間ってのは食べなきゃ生きていけないし

「腹も減るし。」

とりあえず、動きやすい服に着替え洗面所へ。

顔&歯を磨き台所へ移動。

早速冷蔵庫を物色。

「・・・ん〜。あ、昨日の焼きおにぎりゲット・・・後は、野菜ジュースっと。」

さくさくっとかなり遅い朝食を済ませ部屋へ。

久しぶりに友達とあそぼっかな〜・・ん?

「うちの携帯・・・」

はっとした。

枕もとにあったのは他人の携帯。

なら自分の携帯は?

「・・・ない、ないっ!ない!!なんでじゃー!!!」

どこを探しても出てこない。

これじゃ誰とも連絡できないし。

「?待った・・・寝る前は確かに携帯はうちのだった。んで、朝起きたら他人のがあって、

自分の携帯がない。これじゃまるで・・・。」

まるで誰かが自分の携帯を落とし、間違えてうちのを持っていったみたいじゃないか?

誰かってのはいちまるぎんとかいうやつ?

・・・・・・・・・・。

って事は泥棒・・!?

「こんにちは」

こんにちは。

えっと、こういう時って警察に連絡するべきなんだよね?

「・・・あの、すみません。」

うるさいなぁ。

今取り込んでんじゃん!

「・・ぶつぶつ・・・警察は何番だっけ・・119?じゃなくて・・ぶつぶつ」


・・・こんにちは?すみません?

誰?

振り返ると金髪の人の良さそ〜な男の人がたっていた。

苦笑いを浮かべて。

「・・・っどろぼっんん〜!!!」

「お静かに(汗」

目の前に居たはずのその人はいつの間にか後にいて、ついでに口を塞いでくれてます。

「んんっ!!」

「すみません、静かにしていただけますか?」

申し訳なさそうの声が耳元で聞こえ思わず、

綺麗な声。

なんて思ってる場合じゃなくて!

「んごっんっんん〜(わかったから離せっ)」

「お願いします。」

彼はそう言うとやっと手をどけてくれた。

なんだか空気がものすごくおいしく感じるな・・・。

「はぁはぁはぁ・・・」

もしかしなくても窒息しかけた・・・?

・・・(怒)

流石に文句の一つでも言ってやろうと思い振り向くと、心配そうな顔が飛び込んできた。

思わず一歩下がり、改めてその男を見てみる。

金髪で人がよさそうなのはいいけど、変な格好・・・。

その男が着ていたのは真っ黒の着物?に何故か腰に刀。

はっきり言って時代を間違えて・・・

間違えて?

「・・・きら、さん?」

今朝の通話中も相手に対して同じ事をおもった。

そしてまさしく、目の前には間違っちゃった人。

「・・はい。」

ビンゴ。

そのきらさんは、気恥ずかしそうにはにかみながら自己紹介を始めた。

「いきなり驚かせてしまい、今朝のことも含め申し訳ありません。僕は吉良イヅル。

 字は吉に良し悪しの良しで吉良、イヅルは片仮名です。ちなみに、ヅはつに濁点です。」

律儀に細かいところまで・・・。
・・・・

「あの、うちはです。で、どこから入ってきたんですか?」

吉良さんの足元を見ればわらじ。

これも土足っしょ・・・。

「あっすみません。急いでいたもので・・・。玄関から上がらせて頂きました。

 一応何度かお呼びしたんですがお返事がなかったので・・(汗」

そういいながら急いでわらじを脱ぎ始めた。

どうやらうちの視線に気づいたらしい。

抜けてそうでしかっりしてるみたい・・?

てゆうか声聞こえなかったし・・・。

「そうでしたか、気づかなくてすいません。良くここがわかりましたね」

当然の疑問を投げかけてみると、吉良さんの表情が少し険しくなった。

「・・・隊長の携帯には発信機が内蔵されているので。その、さん?」

でいいです。発信機って・・・」

スパイじゃあるまいし・・・

「いつもふらっと居なくなられて連絡がつかないもので・・・(汗」

・・・それって携帯の意味ないんじゃ・・


「あっ隊長は機械嫌いなんです。それで・・・。」

あっなるほど。

強引に持たせてるわけね。

「あ・・携帯。これですよね。」

ベッドに置いておいたそれを手渡すと彼はほっとしたような表情を見せたが、

すぐに曇ってしまった。

まぁ、携帯は見つかったが吉良さんの様子から察するに・・・

「まだ隊長さん見つかってないんですか・・・?」

「・・・え、えぇ・・」

困った人だ。

吉良さんが可哀想・・・。

「あの、さん。あなたは私が見えているんですよね・・・そして触れた。」

・・可哀想に・・・ストレスで頭逝っちゃったんかな・・・。

「は、はぁ・・・でないと携帯渡せないし今話してないと思うんですが・・・」

なにやら吉良さんは考え事を始めたらしい。

五分後

「わかりました。これからいくつか質問させて頂いてよろしいでしょか?」

そういった吉良さんの表情は別人のように真剣で、断るなんてできなかった。

とりあえずうちはベッドに、吉良さんには机のいすに座ってもらった。

「では・・今までに私のような黒い着物をきた者を見たことは?」

記憶をたどる。

いくらたどっても

「ないです。」

「そうですか、ではどくろのような仮面の怪物は・・・?」

・・・想像するとかなり悪趣味な・・

てか、怪物って・・・(汗

「ないです。」

「・・そうですか・・・・さん。これからお話することはとても大事な、
 
あなたの命にかかわることです。僕を信じていただけますか・・・?」

吉良さんの話はそう簡単に信じられるようなものじゃなかった。

死神のこと、虚という堕ちた魂のこと。

そしてその虚に命を狙われる可能性が高いということ。

少しずつ、うちが混乱しないように話してくれた吉良さんは、真っ直ぐにうちの目をみていた。

話しているとき、そして話し終わった今も。

「・・・これでだいたい終わりです。初め・・隊長に電話したのにあなたが出たときは驚きました。

 生きている人が、この携帯に出るということ事態、過去にないはず。

 この携帯は霊子により形成されているため、普通なら、

生きているうちは触れるどころかみる事すらできない物です。

よほど霊力が高くなければ・・・僕を見ることも声を聞くことも・・触れることなどありえない。」

おかしい・・・そんなの絶対!

だって今まで幽霊なんて見たことないし!!!

しかも死神って・・・

さん、落ち着いて

「落ち着けるわけない!!!なんで?今まで幽霊なんて見たことなかったし・・・
 
なのになんでいきなりこんな・・・命まで狙われなきゃいけないのさ・・・・!!!」

あれ?

吉良さんが歪む・・・。

体に力が・・はいら・・な・・い・・?

「っ!!!さん!!しかっり!!・・・さん・・・・」

遠のく視界の向こうで吉良さんの慌てた顔がみえる。

声まで良く聞こえない。

もう・・・わからない・・・・・・・。

白い光の中。

聞きなれた声が聞こえてきた。

それは親友の声。

 

ちゃん・・・私、死ぬかも」

・・・?なにいってんの・・?
 
「ごめんね・・・」

まって・・・っ!!!

追いかけても手が届かない。

どうして・・?

行かないで・・!!!
         
         


         いつもと変わらない日常。
         いつもと変わらない退屈な世界。
         そして失われていく〔いつもと変わらないもの〕。
         君は何故笑っているの・・・・?


    

あとがき
玄「っとここで一時停止^^」
ギ「(怒)・・・玄米、また僕が出てへんのやけど・・どういうことや?」
玄「うっ(汗)いや、なんか連載っぽくなっちゃいまして・・・」
ギ「それはかまへんよ?僕とが長いこと一緒にいられるっちゅうことやし。」
玄「さっすが!!良くわかってらっしゃる^^」
ギ「まぁそれはおいといて、なんかイヅルが出張りすぎとちゃうのん?」
イ「す、すみません」
ギ「イヅルは謝らんでええねん。悪いんは玄米やし?もしかしてイヅルが好きなん?」
玄イ「「・・・なっ/////」」
ギ「・・ふ〜ん?ま、次僕がでえへんかったら・・・わかっとるな?」
玄「はい(大滝)」
ギ「あ、あかん。忘れるとこやった。」
イ「何か?」
ギ「僕が主役なんにでてへん。変わりにイヅルばかりや。ここまでなら許せるんやけど・・
  なんで玄米まででんのや?(微笑)」
玄「・・いや、そのですね・・・ごめんなさい!!!」(もうダッシュ)
イ「逃げましたね・・・。」
ギ「イヅル、下がっとき。貫け!!神槍!!!!」
ごふうぅうう(大流血)
 強制終了!!!!!!!!!!!!
   ちゃんちゃん♪